させない。


「させるかぁぁぁぁっ!」

手段は選ばない。
剣を投げつけてでも止めようと思った。

そんなことされてたまるか。
させてたまるか。

奪われるのも、奪うのも、もう御免だ。
復讐がしたいなら、すればいい。

だけどそれは違う、そいつだけは違う。怨まれる事など何もしていない。
憎むならオレを怨めばいい、お前のその戯言に付き合うと言ったオレを狙えばいい。

ルーク、お前は――――オレをお前のように苦しませたいのか?
お前が憎んだ下種のように、おまえ自身がなるというのか?
ミリーナのように、彼女を殺すのか?

オレはそれに抗う
させない、させやしない、オレはそうする、そう『誓った』

お前はどうする?

―― ルーク



リナの呪文が、赤い影に吸い込まれ
オレはこの曖昧な人形劇に、身を躍らせた。

戦いがはじまる―



きっと彼は、答えを待っていた

2010.05.28


RETURN