忘れ行く日々 「てめえ、自分の息子をどうかしてんじゃねぇだろうな?」 黒髪の男が、隣にいる金髪の男を軽く小突く そいつは、少し不愉快そうに眉を寄せた 「かもしれん」 「こんなちっちぇえのに、無理させてどうすんだ? 子供ってのはもっとこう、うちの娘みたいに…」 「私に何が出来ると?」 「笑ってねえんだよ目が、あいつ」 「私も昔はこんな姿だったのかもな… インバース、お前はどうだった?」 「覚えてるはずがねぇ、あっという間だったからな」 目の前には無邪気に眠る彼らの娘と息子が眠っている びくびくする彼を、彼女が勢い良く叱り付け 年下の彼女は彼を1日まるまる連れ回して遊んだらしい 「あんた、そーやってぐじぐじしてると なめくじみたいに溶けちゃうんだから!」 「えっ・・・それはイヤだ」 きっとこんなに楽しかった今日も忘れてしまうのだろうか 黒髪の男が「こんなにちいせえのにな」と 金髪の少年の頭をゆるゆると優しく撫でた ------------------------------------------ 「変な夢…見たのよ」 「オレも、小さい時の夢だったな」 「「楽しかったかった事だけは覚えてる」」 ------------------------------------------- 忘れえぬ 日々 |
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