身勝手なバンパイア 3



「もー・・・だめ・・・だ」

ぱふ。

ああっ!またやってしまったあああああっ…!

気がついたときにはガウリイはそのまま上半身をベットの後ろに倒れていた
一昨日もやったてしまったから今日こそはと思ったのに?!
ほんのりピンク色に染まった色素の薄い彼の肌に、ごくりと喉を鳴らす
おかわりはできそーにもなさそーだ
食欲は満たされているはずなのに、どーしても次が欲しくなる
その後は次の次、次の次の次、丈夫なはずのガウリイが倒れるわけである


「オレ・・・ぇ、毎日レバーとか、食ってるのに」
「あ、気がついた?」

ふわふわとした意識と戦っているらしい
手で目を覆いながら顔を隠して、彼はなさけなそーな声を出した

「リナぁーすまん、ねむい・・・」

彼の左手が何かを探すように、宙を彷徨う
誘われるかのようにあたしはその手を取った

彼が長い息を吐き
そのままあたしを抱えたまま眠りに入ってしまった
血をくれるおとぼけ神父に、少しだけの報酬

こーしてみると、まるであたしが吸血鬼に食べられる美少女みたいじゃない?
ねぇ、どっちが獲物でどっちが狩人なのかしら?

そしてあたしは長い夜をその腕の中で我慢して過ごすのだから
きっと神様もこれぐらいは許してくれるだろうと、
彼の首筋に、一度触れるだけの、一口だけと言い聞かせつつ
貪欲な唇を落とした



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